32人が本棚に入れています
本棚に追加
たとえどんなに嫌がられても、どんな仕打ちを受けようとも。
母親はオレたちの顔を見るたびに当たりちらすようになった。
時には不満をオレたちのせいにして暴力も振るった。
お陰で弟は笑わなくなった。
そしてオレ以外の人間に心を開こうとはしなくなった。
オレはただただ必死に耐えた。
苦しくて逃げ出したかった。
オレ一人ならどうにでも生きていけるから。
だけど弟を残してはいけない。
ばあちゃんとの約束どおり学校にもちゃんと通った。
しかし、いい子のままでいられたのは最初だけ。
家でも学校でも我慢を続けるのは耐えられなかった。
捌け口が必要だった。
そんな時、あいつらに出会ったんだ。
あいつらはオレが知らないいろんなことを教えてくれたよ。
煙草にケンカ…心の闇を取り除けるなら何でも良かった。
それが原因でどれだけ親に迷惑がかかろうが構わないと思った。
だってオレを育ててくれたのは父親でも母親でもないから。
でも本当は…少しだけ期待した。
オレが問題を起こせば母親が少しはオレたちのこと見てくれるんじゃないかって。
馬鹿だよな。
母親が見向きもしないことはわかっていたハズなのに。
最初のコメントを投稿しよう!