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「大丈夫ですよ」
「いいから!怪我人野放しにしたら心配だろ?オレだったら夜も危なくないし」
「いろいろ迷惑かけてすいません」
圭介には悪いと思いつつ、素直に甘えることにした。
そして由愛に見送られワタルは彼女の家をあとにする。
帰り道、圭介はゆっくり歩きながらワタルに言った。
「今日は変なこと聞いちゃって悪かったな」
「いえ」
「キミになら由愛のことも安心して任せられる気がするよ。これからも由愛のことよろしくな」
「ハイ」
ワタルは純粋に認めてもらえたことを嬉しく思う。
「あと一つ、言おうと思ってたんだけど…二人ともさぁ、何でいまだに苗字で呼びあってるの?名前で呼べばいいのに」
「それは…なんていうか…恥ずかしいっていうか」
なぜだろう。
圭介のまえでは不思議と素直になれる自分がいた。
そういう力を彼はもっているのかもしれない。
凄く人なつこくて温かい人だから。
「恥ずかしがってどうするんだよ。相手は由愛だよ?ちょっと強引くらいでちょうどいいんだから。明日から名前で呼んでやれよ」
「えっ…」
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