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「わかった、わかった。聞くからまず上がれよ。玄関で立ち話っていうのもアレだろ?」
「ね、圭ちゃんの部屋行っていい?」
「ハイハイ。どうぞ」
ワタルは目をキラキラさせて上がり込むと圭介の部屋に直行した。
どうやら彼は圭介の部屋が気に入ってるらしい。
そして玄関に残された由愛はますます不機嫌な顔で隣に立つ兄を睨みつける。
「ずるい、お兄ちゃんばっかり」
「…そんなこといわれても…」
子供が二人…
圭介は困った様子で笑う。
そして由愛の機嫌を取りつつ自分の部屋に誘導すると、そこではすでにワタルがにこにこしながら待ち構えていた。
「ワタル、由愛がやさぐれてるんだけど」
「どうも拗ねてるみたい。オレと圭ちゃんが仲いいから」
「わかってるならどうにかしろ!一応、彼氏だろ!?」
「別に一応じゃなくても彼氏だよ。でもそっちこそ兄貴じゃん、オレより由愛の扱い慣れてるんじゃないの?」
「そうはいってもなぁ…明らかに原因はお前で…」
なんていってまるで擦り合い。
「…もういいっ!私、お邪魔みたいだから二人で勝手に仲良くしてて!」
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