32人が本棚に入れています
本棚に追加
“自慢の”って何!?
「そう。妹の由愛と彼氏のワタル。うちの妹、可愛いだろ?」
さらりと言った圭介の言葉に由愛は恥ずかしくなった。
お兄ちゃん、何言ってるの!?
自分の友達の前であんなこというなんて信じられない!
「可愛いー☆ってか圭介は本当に昔から妹可愛いがってるよなぁ」
「まぁね。でも最近、彼氏できたからオレは邪険にされてるけどね」
「ちょっとお兄ちゃん!変なこと言わないで!」
「あはは!怒られてやんの」
どっと笑いが起こり、辺りは和やかなムードに。
みんないい人ばかりみたいで安心した。
「そうだ!二人とも、よかったらまた来てね」
しばし話をした後、彼らはそれぞれ何処かへいってしまった。
「二人とも、気をつけて帰れよ」
「うん」
去り際、圭介が心配して声をかけてくれたことが照れ臭くも思えたけど嬉しかった。
そして後日、ワタルは言葉の通りギターを始めた。
講師は圭介。
ギターは圭介が貸した。
そんなこともあってますますワタルが遊びにくる回数は増えた。
夢中で練習しているその表情は楽しそうに見えた。
最初のコメントを投稿しよう!