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ワタルはそっと目を閉じた。
オレ、一晩中いろんなことを考えてた。
今でも由愛がもういないなんて信じられないよ。
嘘だって信じたい。
だけど…
会えなくなる前に伝えなきゃいけないことがある。
本当は目を見て伝えたかった。
ずっと言おうと思っていた言葉があるんだ。
だけどずっと言えなかった言葉。
オレ、やっと気づけたんだ、自分の気持ちに。
「オレ、由愛のことが好きだ」
恋というものがどんなものなのかやっとわかった。
遅すぎるよな。
ずっとそばにいたのに一度も言えなくてごめん。
由愛はいつだって隣で笑っていてくれたのに。
人は大事なものを失って初めて大切さを知るという。
まさにその通りだと思った。
そばにいることが当たり前すぎて大事なことを忘れていた。
オレ、もっともっと由愛のそばにいたかった。
思い出だってこれからたくさん作れたはずなのに。
オレ、馬鹿で本当にごめん。
たくさんのことを教えてくれた由愛に何にもしてやれなかった…
初めは成り行きから始まった二人の関係。
だけどオレは本気で由愛のことを好きになった。
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