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そして後日、ワタルは約束どおり由愛の家を訪ねた。
久々だった。
思えば由愛の事故から二ヶ月の時が過ぎようとしている。
その間、決して訪れることはなかったし、これからもないと思ってた。
だけど…
チャイムを鳴らすと圭介が出迎えてくれて、オレは由愛の部屋に通された。
思えば由愛の部屋に入るのは初めてだ。
シンプルながらも女の子らしい可愛い部屋だった。
由愛らしい…
「あ、そこらへん座ってて」
圭介はそういって一旦、部屋を出ていく。
そしてワタルは戸惑いながらも部屋の真ん中に置かれた小さなテーブルの前に座った。
するとテーブルの上にピンク色のノートがおかれていることに気づく。
もしかして…
オレはノートに手を伸ばし、パラパラと捲る。
やはりそれは由愛の日記帳だった。
そこには由愛の可愛い字でいろんな想いが綴られていた。
もちろんワタルのことも。
例えば、初めて出会った時のこと。
―始業式。
今年も千里と同じクラスになれてラッキー☆
でも…どうやら有名な龍王君が同じクラスみたい。
ちょっと恐そう。
なんか悪い噂ばっかり聞くけど大丈夫かなぁ?
少しだけ不安かも…
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