第14章【残虐なる正義・静謐なる旋律】

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「ぼっっ僕は森人でも村人でもなくて、どっちかと言えばイイ感じの人です!」 「意味が分からん」 リュードお兄ちゃんが言うと、あきれたように背の高い男の人が呟いた。 女の人はパンジーの花のように柔らかく笑うと、私と、背の高い男の人の間に割って入る。 こうして見ると女の人も背が高くて、なんだかお似合いだ。 「ごめんなさい、迷ってしまったみたいなの。なんとか自力で戻ろうとしたら更に奥まで来てしまって……道を途中で見失ってしまって」 「道……?」 私が首をかしげると、女の人の代わりにリュードお兄ちゃんが進み出た。 「それなら僕達と行きませんか?!ちょうど僕達も帰り道を探してたんです!あなたとなら、道を踏み外したって構いませんけど!」 「……貴様、クリムソンに似てきたな」 どんと胸を叩くリュードお兄ちゃんを見つめながら、女の人は嬉しそうに笑った。籠の持ち手を掴んでいるけれど、肘のあたりで背の高い男の人の肘の辺りに軽く触れている。 「ほんと?それなら助かるわ。頼りになるのね」 「はい、お任せくださいっ!!」 と、リュードお兄ちゃんは女の人の籠を持とうとした。 なんだか重そうで、果物なんかが入っているような感じじゃない。 「これはいいの。私のお守りみたいなものだから」
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