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書物が結わえてある左側ではなく、右側の腰の辺りを示す。
そこには、携帯用のバッグがあった。
いつでも中の物を取り出せるように口許を緩く縛っていたはずのバッグが、手をやると、紐がほどけかけている。
外蓋を開け、中に手を入れた。
崖から転落したせいだろう、バッグの中はずぶ濡れで、薬の瓶も何本か割れていた。
薬草、丸薬、聖水の類い。
リュードのように杜撰ではないから、大きな損害は無かったが、すっかり海水に浸かってしまったから、戻り次第整理しなければ。
こっそりと舌打ちしながら中身を確認していると、バッグの底から小さな麻袋が現れた。
掌よりも小さなその袋には、指で押すと、何やら固いものが入っている感触がある。
このような袋をバッグに入れた記憶はない。
袋の口は紐でぐるぐると括られているだけだったので、簡単にほどくことができた。
開いた袋を開け、中を覗く。
「毒消し貰った時に、見ちゃったんだよね。腰の傷、毒に冒されてたからさ」
言い訳がましくジェイが言った。
先程俺が受けた傷の話をしているのだろう。
だが、今はそんな事に構っている場合ではなかった。
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