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『おい、娘。さっさと逃げんか!』
今?犬が話した?
空耳……
『このノロマめ、どんどん増えていくではないか!』
今度もはっきりと、声が聞こえる。犬から……。
『去れ、亡者たちよ!』
犬が声高く一吠えすると、黒い影はいなくなった。
『このグズめ、早く逃げればいいもの。』
寿葉は混乱していた。
犬が話している上に、ばかにされている。
「犬が話してる・・・の?」
『なんだ、娘。私の声が聞こえるのか』
犬なのに……私を一瞥すると、偉そうに話し始めた。
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