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「……ありがとうございました。」
「ハァッ…ハァ…何でッおまえ…に、は勝てねぇんだよ…」
打ち合いが終わると瑞希が地面に大の字に寝転び肩を荒々しく上下させ息をする。
「瑞希は考え無しに突っ込んできすぎなの。あ、いけないもうこんな時間だ……帰って皆の朝ごはん作らなきゃ...」
空の様子をみればすっかり日が昇り清々しい朝になっていた。瑞希は体を起こしスクールバックからタオルを出し汗を拭いた。
「じゃあ俺もそろそろ学校いくかな...」
「今日は早いじゃない。瑞希のことだからどうせ帰って二度寝するのかと思ってたけど」
桔梗が少しクスッと笑って茶化すように言うと瑞希は拗ねたように口を尖らせた。
「今日は部活の朝練なんですぅー」
「そっか。よし、じゃあまたね?」
桔梗も汗を拭き水分をとると竹刀を持ち走ってその場を去った。
「おいッ桔梗!…また夕方なー!……もうちょっと喋りたかったな……」
瑞希は桔梗の後ろ姿に声を掛けその姿が見えなくなるまでその場で見守っていた。
そして姿が見えなくなると部活の朝練の為瑞希もその場を去った。
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