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目覚まし時計が鳴り俺は布団から体を起こす。
俺の朝は7時から始まる。
まず洗面台の前に立ち顔を洗い歯を磨く。
鏡に映る自分の顔はやはり不細工だ。
寝癖を気持ち程度だけ水を付けて治すと俺は母の用意したご飯を食べるためにリビングに入る。
……そしたらなぜか彼女がいる。
「あ、ひろし!迎えにきたよー!」
しかも彼女は俺のために用意されたであろう…母の作ってくれた納豆ご飯を半分くらい食している。
そのほっぺに付いた米粒と納豆がなによりの証拠だ…もう少し言うなら俺専用の豚さんの茶碗を手にもっているのだから。
「ひろし、彼女が迎えにくるとか本当お前はリア充だな!」
母が台所から俺に告げる。
いいから早く俺に新たな納豆ご飯を用意してくれ母よ。
……結論から言うと納豆が在庫切れらしく俺はふりかけご飯を食べた。
そして通学路。
俺は彼女を自転車の後ろに乗せて走った。
こんな美人の女性を乗せて走ってるんだ。すれ違う学生は皆振り返る。
この優越感がたまらん。
しかし…
「ひろし!速度が足りぬ!風に!風になるのだ!!」
……と彼女がおっしゃっております。
彼女の名前は川村正美。
俺は川村さんて呼んでる。
成績は上の中くらい平均点でいえば90点くらい。
体育はお互いに普通くらいだけど…
頭の良さと顔の作りは圧倒的に俺が劣っている。
まぁいい、それはいい。
問題はなんで川村さんが俺を彼氏にしようと思ったのかだ。
学校における俺のポジションはオタクグループの不細工担当だ。
対して川村さんはイケてる女子グループの勉強担当だ。
最初はなんかの罰ゲームかなと思った、
でも交際は半年くらい続いている。
罰ゲームの線は薄いな。
二人を乗せた自転車が校門に到着した頃に俺は川村さんに聞いてみる。
「なんで俺と付き合おうと思ったの?」
自転車の荷台から降りた川村さんは肩ぐらいまである髪を右手の甲で後ろに跳ね上げるとどや顔で言う。
「ひろしは今まで食べたパンの数をいちいち数えているのかね?」
「いや、数えないけど…」
どうしよう…意味が深すぎて理解できない。
川村さんはいつもこうだ。
理解に苦しむことばかり言う。
他の人と話す時は普通なんだけどな…
いや、まてよ…
これか…これなのか?
これが川村さんの素の状態で…俺の前だと素の自分がだせるとか…。
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