まだ咲き染めし梅の匂いに

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貴族は普段扇を持っています。その扇は、夏は「蝙蝠(かわほり)の扇」で、冬は「檜扇(ひおうぎ)」と決まっています。これはドレスコード、持ってないとだらしない。 「蝙蝠の扇」はわかりやすく言ったら、日舞なんかでみる折幅が広い扇子みたいな感じ?(正確には違うけど) 「檜扇」は薄い木の板を糸で繋いだ扇。磨けば消せるので、メモ帳代わりにもしたんだとか。 頭の中将藤原雅人にははわざと檜扇を持たせているけど、蔵人は雑務が多くて、檜扇は重くて実用的ではないので、冬でも「蝙蝠の扇」でよいことになっていたらしい。 ということで、きっと服装も軽装なのは間違いない。 そして、いろいろな資料をみると、蔵人を含む殿上人の宿直(とのい)の時は直衣を着るのも間違いないよう。 (ちなみに物語で“宿直”って出てくると、天皇のおそばでのお泊り勤務なのに、大概、和歌や通っている女のことでだべってる(笑)) ここにきて、よくお世話になる「風俗博物館」というサイトを読み返して、勘違いしていることに気付きます。 六位蔵人の筆頭極臈は天皇しか着れない麹塵(きくじん)の袍を天皇に賜り、衣冠といて着ることができたらしい。(これも本にも書いてあった。) じゃあ、ひょっとして、他の蔵人は違う色の直衣に冠をつけた冠直衣だったの? 衣冠は間違いなの?
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