まだ咲き染めし梅の匂いに

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イラストを一枚描いたので、お話をつけてみました。「萌ゆる想いを、この花に」より *** 六位蔵人源建の従者明親(あきちか)は、紅梅を添えた懸想文を手に、藤原大納言邸を目指します。 ――紅葉の頃の事件を思い出すと、頭が痛い。 いくら文を送ってもダメなら、既成事実を挙げようと、礼都女(あやつめ)ちゃんと企んだのが裏目に出た。 変態の従者だなんて陰口をたたかれてるの、きっと建様は知らないだろうなあ。 そこへ、がらの悪そうな二人の侍。 「おや、随分とかわいい坊やじゃないか。」 「こんだけの上玉なら、高くで売れそうだぜ。」 「ちゃんとアレがあるか確かめてやろうぜ?ぎゃははは!」 ――先帝のせいで、最近、無頼の侍をよく見るようになったな。検非違使は何してるんだろう。 「よし!今日は骨は折らないぞ!建様に怒られちゃう。」 「何か、言ったか?」 image=504244040.jpg
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