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イラストを一枚描いたので、お話をつけてみました。「萌ゆる想いを、この花に」より
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六位蔵人源建の従者明親(あきちか)は、紅梅を添えた懸想文を手に、藤原大納言邸を目指します。
――紅葉の頃の事件を思い出すと、頭が痛い。
いくら文を送ってもダメなら、既成事実を挙げようと、礼都女(あやつめ)ちゃんと企んだのが裏目に出た。
変態の従者だなんて陰口をたたかれてるの、きっと建様は知らないだろうなあ。
そこへ、がらの悪そうな二人の侍。
「おや、随分とかわいい坊やじゃないか。」
「こんだけの上玉なら、高くで売れそうだぜ。」
「ちゃんとアレがあるか確かめてやろうぜ?ぎゃははは!」
――先帝のせいで、最近、無頼の侍をよく見るようになったな。検非違使は何してるんだろう。
「よし!今日は骨は折らないぞ!建様に怒られちゃう。」
「何か、言ったか?」
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