(12) すっぽかされたデート

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「今日は定時で帰るからな・・・哲」 俺は朝から何度も哲に念を押す。 「しつこいわよ。捺」 二人で居る時はタメで話す。 俊也と哲子は俺の幼なじみであり、 桐生家に代々仕える使用人の子供。 ――――しかし、仕事は定時で終わらなかった。 定時を過ぎても企画会議は終わらない。 どうしよう・・・ 俺は後ろに控える哲子に上着に忍ばせたスマホを渡した。 「俺の代わりに留奈のスマホに連絡を頼む。哲」 「何て言えばいいの?」 「待ち合わせの時間は19時に変更だと」 確か・・・19時半がプラネタリウムの最終投影時間のはず。 「わかったわ」 俺は哲に留奈への伝言を任せた。
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