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「今日は定時で帰るからな・・・哲」
俺は朝から何度も哲に念を押す。
「しつこいわよ。捺」
二人で居る時はタメで話す。
俊也と哲子は俺の幼なじみであり、
桐生家に代々仕える使用人の子供。
――――しかし、仕事は定時で終わらなかった。
定時を過ぎても企画会議は終わらない。
どうしよう・・・
俺は後ろに控える哲子に上着に忍ばせたスマホを渡した。
「俺の代わりに留奈のスマホに連絡を頼む。哲」
「何て言えばいいの?」
「待ち合わせの時間は19時に変更だと」
確か・・・19時半がプラネタリウムの最終投影時間のはず。
「わかったわ」
俺は哲に留奈への伝言を任せた。
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