(12) すっぽかされたデート

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デートに誘ったのは 捺さんの方で・・・ ――――切るわねと一方的に切られてしまった。 無機質な音を暫く茫然と訊いていた。 私は頑張って 新しい服を買って メイクも研究して 今日のデートを 楽しみにしていた。 なのに・・・ 仕事でドタキャンなんて酷い。 ベンチに一人座り込み、力なく夜空を見上げる。 群青色に染まった空。 黄色い三日月と星が光っていた。 来ない待ち人を待っても仕方がない。 私は立ち上がり、帰ろうと足を前に進める。 細いブロックの隙間にミュールの踵が挟まり、派手に扱けてしまった。
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