(14)重なるハート

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ビル群が立ち並ぶオフィス街。 その一角に『桐生建設』本社ビルはあった。 一際目立つ高層のデザインビル。 全面硝子張りのオフィス。 朝の陽光が硝子に反射して光輝いていた。 地下の駐車場に停車させて、そのまま役員フロア直通のエレベーターに乗り込んだ。 私は捺さんに渡す書類を胸に抱き締める。 これが仲直りの糸口になればいいけど。 エレベーターは役員フロアに到着した。 私達はそのまま 捺さんの居る最奥の社長室を目指す。 「俊也です」 「入れ」 中から捺さんの声が聞こえた。 「失礼します」 私は初めて社長室に入った。
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