(14)重なるハート

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捺さんは私の腕を掴んで、社長室を出る。 向かった先は倉庫のような場所。 「ここは資料室だ」 「・・・」 「お前・・・もしかして 俺と哲子の仲を 誤解していたのか?」 私は素直に頷いた。 「冷静に考えてみろよ。 哲の背丈。 俺と少ししか変わらないし、 喉仏だってあるだろ?」 「そう言われても 私・・・ オカマさんに会うのは初めてで・・・」 「まぁいいよ」 捺さんは優しい微笑を湛え、 私の不意に抱き寄せる。 「嫉妬もしてたの?」 「まぁ」
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