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私は頬を赤らめ
言葉に詰まった。
「それって
俺のコト・・・スキだから?」
捺さんは遠慮がちに訊く。
そして、ジッと私の口許を見つめた。
甘い雰囲気の時は彼の声音も甘くなる。
次の言葉が出て来ない私は首を縦に振る。
私と捺さんの間を阻んでいた
哲子さんの存在は消えた。
捺さんは嬉しそうに唇を寄せて来た。
久し振りに交わすキス。
忘れかけていた捺さんの温もりを全身に味わう。
キスは舌を絡めたディープなキスではなく
軽いキス。
ここはオフィス。
捺さんも場所を弁えているのだろう。
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