キミと僕の、輝いていた夏

出逢い

「野波（のなみ）さんのお部屋ですね。302号室です」

「ありがとうございます」

廊下を歩いていた看護師さんに頭をさげて、僕は302号室に向かった。

病室に入ると、まったくどこも悪くなさそうにしてベッドに座っている、ひとつ年上の従姉の姿が目に入る。

「学（まなぶ）、きてくれたんだ」

「まったく、皐月もドジだね。寝不足で倒れて、頭打って入院だなんて」

皐月は学校での部活中、寝不足で倒れたらしい。そして運悪く、倒れた拍子に床に頭をぶつけ、今は念のための検査入院中だ。