出逢い

5/17
前へ
/461ページ
次へ
「すみません、ありがとうございます」 本来謝るべきなのは僕なのに、この時は気が動転していて、そんなこと、頭をかすめもしなかった。 「あの、お怪我はありませんか?」 僕には、そう訊くことが精いっぱいだった。 すると彼女は、そんなことしかできなかった僕に、柔らかく微笑みを向けた。 「ご親切にありがとうございます。でも、大丈夫ですよ」 微笑まれ、どうしようか迷った挙句、そろそろと手を差し出した。
/461ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加