1 Prolog

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病院への帰り道。先ほど空を眺めたのと同じ場所で再び顔を空へと向けると、さきほどとはだいぶ雲の位置やら明るさが変化したような気がする。 雲はものすごくゆっくり動いているように感じるが、ものの数分で空の様子ははっきりわかるほど変化する。 地球は地軸を中心に24時間に一回転する。 とんでもない質量と大きさを誇る巨大球体地球が回転をしていても、地上の生物はそれを感知することはない。超スピードで走る新幹線の中なんかを歩いて移動しても、中は意外とゆったりしていて不自由なく歩けるのと同じような理屈らしい。 ほんとうに、地球や宇宙はわからないことだらけだ。わからないからこそ、面白いのかもしれない。 俺はすぐ横にある公園に入り、ベンチに座った。 真夜中だが、たまには外で空でも見ながら飯ってのもいいかもしれない。 真横で牛丼弁当を広げ、割り箸を噛みちぎった。
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