1 Prolog

13/28
前へ
/48ページ
次へ
先ほどまで雲と月しか見えなかった空のはるか遠くのほうに、薄い赤色で光る小さな点のようなものを発見した。 「さっき見た時あんなのあったっけな」 大気やらなんやらの関係で肉眼で見えたり見えなかったりする星なんかもあるらしいし、多分その類のやつだろう…。 一瞬たった今誕生したばかりの超新星か何かか?なんて思ったが、そう簡単にそんなものが見つかるわけがないしな。 なんとなく、見えたそれにむかって手を伸ばしてみる。 「宇宙の力を我に!ってな」 誰もいないしちょっとふざけたセリフなんかも喋ってみる。 「いかん、上ばっか見てたせいで首が痛くなってきた……さっさと戻らないとな」 ビニール袋を片手に、俺は病院へと戻った。 ゴミを残して帰るわけにはいかん。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加