第二章 閉鎖病棟の少女

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(…休憩の仮眠の時に見た夢に似てるな…) と、いうことはこの状況もまた、俺が見ている夢なんだろう。 俺はそう思い、窓ガラスや壁に直接手を触れてみた。 (………んー、こりゃ…) 夢にしては、やけにものにさわった時の感覚はっきりしている。 動けば動くほど汗がだらだらと流れてくる。それからエアボクシングっぽいことをしてみたり、傘をバッドのように振り回してみたり…最終的に、ベタではあるが自分の頬を思いっきりつねったりしてみた。 「いででででで、なんらこへは」 深夜のあの状況とは違う…今回はしっかりと感覚がある。これはどうやら夢ではない…! なんだなんだ、一体なんなんだこの状況は! 俺は床に投げ散らかしていた携帯電話を拾い上げ、着信履歴の一番上にある豪を選び、電話をかけた。 「……何も音がしない、どうなってるんだ?」 今日はおかしい…深夜はおかしな夢を見るし、朝には身元不明の女の子が倒れてるし、そして今また……! それから俺はテレビをつけてみたり、携帯のラジオやネットニュースなんかもいろいろ試そうとしたが、どれも無駄だった。テレビは電源は入るが画面は砂嵐だし、ラジオは音がしないし、ネットにはそもそもつながりすらしなかった。 時計だけはちゃんと機能しているようだが、この状況ではあってもなくても大差ない。 「ここにいても埒があかない、誰か人を探そう」 脱ぎ捨てていたカッターシャツを再び身にまとう。汗はすっかり乾いていたが、アイロンをかけていないためしわが残ったままで少し着心地が悪いが、この際仕方ない。 「さて、行くか…」 ポケットにスマホをつっこみ、外に出た。 じめっとした蒸し暑い空気がなんとも不快だ。
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