第二章 閉鎖病棟の少女

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行き場を失った俺は…医事課で当直室の鍵を回収し、なんとなく当直室へとやってきた。 奧のデスクへ腰を下ろし、エアコンのスイッチを入れた。……よかった、エアコンはちゃんと動くみたいだ。 「わけがわからない…なんなんだ、この状況は」 突然の異常気象による避難勧告…という可能性も否定された。となるとやはり… 「夢なのかな」 机につっぷしながら手だの足だのをつねってみると、悲しいかな、しっかりと痛みを感じた。 夢ではない。じんじんとした痛みだけがつねった場所に残った。 「どこなんだ、ここは…」 一体なぜ俺はこんなところにいるんだ。 なんで外がこんなに薄暗くて…不気味なんだ。 なんで俺以外の人間が誰もいないんだ。もうわけがわからない。 俺は、これからずっと一人でここで過ごさなくちゃいけないのか?
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