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ここはとある田舎(田んぼばかりで全く開けていないというほどではないが)にある大きめの医療施設、病院だ。俺とさっきの相方はこの病院の夜間、時間外の受付で事務員をしている。
主人公
富吉満月(とみよしみつき)、24歳。
なんというか…俺のこれまでの人生は、まさに「平凡を絵に描いた」ようなもんだ。
大きな病気も何一つせず、健康に、普通に、過ごしてきた。
なんとなく選んだ高校に入学、それを卒業し、なんとなく担任に紹介され入社試験を受け採用された病院で、なんとなく仕事を続けている。
暇と言えば暇だが、俺はこの生活が結構好きなんだ。満足している。
何の事件もない、平穏なこの日々が。
ぼーっと、意味のないことを考えるのが、俺は好きだ。
宇宙のことなんかをなんとなく思い浮かべ、自分なりにあれこれ考えてみて…結局最後は「わかんねえや」でまとまってしまう…そんな無駄な時間が好きなんだ。
とはいえ、宇宙ってのは我々人類からしたら、全くといっていいほど解明してないし、俺が死ぬまでその全てが明るみになることは、きっと、ない。俺が死んだら俺の感じることのできる世界はなくなってしまうから、それは世界が終わったのと同じことじゃないか?なんてな。
俺は財布をズボンのケツのポケットにつっこみ、チェーンをベルト通しに固定し休憩室を出た。
夜食を買いにいくぜ!
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