1 Prolog

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昼間のじめじめした風と違って、この時間の風はなんとも心地よいこと。 「ここに就職してなかったら、夜の散歩なんてできなかっただろうな」 ふと空を見上げる。星なんかは何も見えないが、月の灯りに照らされた灰色の雲が、じっと見ていないとわからないくらいの速度で移動しているのがわかる。 こうやって見ると、地球を中心に月や太陽が動いているように感じるのだが、実際はそうではない。 太陽という巨大な惑星を中心に水星、金星、我らが地球、火星、木星、土星、天王星、海王星といった星星が存在し、それらがそれぞれの周期を持ち太陽の周りを宇宙空間という巨大な海で漂っている…。 「いつから、俺は、ここで、こうしてるんだろうな?」
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