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「そうそう、隣のクラスの鶴田海斗(ツルタ カイト)くん、今日もかっこいい。」
クラスメイト---由紀(ユキ)はそう言ってうっとりとしていた。
この鶴田海斗という人物、髪は黒いが目は青い。
そして色白。
身長は170㎝くらいだと思われ、学年中の女子にモテモテだ。
「おはよう。」
そう、今周りに挨拶をしながら教室に入ってきたこの人こそ鶴田海斗。
私は別にかっこいい人に興味はない。
むしろ彼の目を見ていると、日本人にしても黒々とした自分の目が嫌になってくる。
「エリー、髪の毛乱れてるよ。」
海斗はそう言って私の髪を梳かそうとする。
「触らないで。エリーって呼ばないで。」
私はキリッと睨んでおいた。
周りからは散々付き合ってると言われたがそんなことはない。
ただの幼馴染であり、それ以下ではあっても以上ではない。
「だってエリーはエリーでしょ?」
優しく微笑んだって私には効かない。
「いいから早く教室帰って。」
もはや海斗が私のところに来るのなんてしょっちゅうすぎて鬱陶しい。
もう一度睨むと、少し悲しそうな顔をして教室を出て行った。
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