「LEMON DROPS」

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「あんまり待たせないよう、頑張るからさ。待ってて」  すぐ顔赤くなるね、と柔らかい声で笑いながら、俺の頬を耳を撫でる。そういうところだよ。 「これ、甘いね……」 「そう? 泉田は辛いの好きだもんな。ハードミントとか。今度なんかそういうの見つけたら買っとく」  そうじゃなくてさ。言いかけて、甘酸っぱい唾液と一緒に飲み込んだ。 「あのさ、レモンミントがあったらさ、それがいいな」  不思議そうな顔をして、津島はレモンの飴をまた口に放り込む。もう帰ろうぜって俺のシャツの裾を引っ張る手が、このまま離れなければいいと思う。  例えば、例えばの話で。津島が首筋に目立つキスの痕を付けて登校したら、先生はどんな反応するんだろう。
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