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ふと視線を動かすと、バックミラー越しにゆずと目が合った。
後ろめたいことがあるんだろう。すぐに視線を外した彼女。
「ない、です。けど」
誤魔化した笑顔が痛い。
「……先にお送りします」
そう言うと、車線を変え、ゆずのマンションがある方向へと車を走らせた。
チラ。と俺を見た景さんの視線には気がつかないフリをする。
「洋史くん、」
「お約束があるようなので、その方がよろしいかと」
背後から聞こえた江茉さんの声を遮り、視線をバックミラーへ。
罰の悪そうなゆずの表情。
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