群青2 モノクロ第8話

26/39
前へ
/39ページ
次へ
ふと視線を動かすと、バックミラー越しにゆずと目が合った。 後ろめたいことがあるんだろう。すぐに視線を外した彼女。 「ない、です。けど」 誤魔化した笑顔が痛い。 「……先にお送りします」 そう言うと、車線を変え、ゆずのマンションがある方向へと車を走らせた。 チラ。と俺を見た景さんの視線には気がつかないフリをする。 「洋史くん、」 「お約束があるようなので、その方がよろしいかと」 背後から聞こえた江茉さんの声を遮り、視線をバックミラーへ。 罰の悪そうなゆずの表情。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1572人が本棚に入れています
本棚に追加