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飲まされずにはいられないと思い、車は置いてきた。
ゆずから渡された花束を片手に佐藤と並んで歩く。
もう『乾課長』としては来ることのない会社に背中を向け
向かうは夜になり始めた街。
「今日は二人だけど、朝まで帰しませんからね」
送別会の時と似たようなセリフに「お手柔らかに」と返した。
満足そうな佐藤の表情に思わず「ふっ」と息が漏れる。
この短期間でよくここまで懐いたもんだ。
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