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咥えていた煙草を灰皿に押しつけ、火を消して、呆れた視線を彼女に向ける。
「で、ですよね」なんて笑って誤魔化してみたって、頬の赤は消えない。
「するなら今、ここでヤルけど」
ゆずの箸からポロ。と玉子焼きが落ちた。
ぱちぱちと瞬きしながら「へ?」と間抜けな声を出した彼女に近づく。
「したいね。ね。ゆず」
「えっ!?いややや!!わたしはっ」
隣に並び、逃げる腰に手を回して引き寄せ、慌てふためく顔を覗き込んだ。
「しよ」
彼女の唇はほんの少し甘かった。
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