灑涙雨(さいるいう)

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また今年も雨なのね いつもなら見えるたくさんの灯りが 今日はまったく見えないの 牽牛と織姫も お互いに夢中になり過ぎたせいで 神様に怒られて離れ離れにされたから きっと私達のことも嫉妬しているんだわ こんなに逢いたくて逢いたくて 今すぐにでも飛んでいきたいのに 旧暦で7月7日は、そろそろお盆の時期 夏真っ盛りで暑いはずなのに 大雨のせいでお昼間はとっても涼しかった きっとあなたが泣いたせいなのね お願い どうかもう泣かないで 別れが人生を狂わせてしまったけれど 私はとっても幸せだった そう あなたがいつも座っている四角い箱に飾られた私の写真 その笑顔はあなたのおかげ ほら とっても幸せそうでしょ? 私はあなたと一緒で幸せだった だからもう泣かないで 他の誰かを見てなんて言わない 私のことを忘れてとは言わない だけど どうか幸せになって 哀しみの雨が希望の雨に変わるように
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