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目が覚めると真っ白な部屋のベッドに一人、横たわっていた。いつも自分が寝ているベッドではない。こんな真っ白な部屋にも見覚えがない。しかし、夢とは何かが違う、これは現実だと思わせる空気がそこには満ちていた。もちろん、夢か現実かわからないときにやる、頬をつねる行為はやった後だ。
ここはどこだ。現実だと認識したとたん、不安と恐怖に襲われた。辺りを見渡すと、真っ白で殺風景な部屋には、簡素な時計とベッド、木製の机と椅子くらいしかなく、やはり自分の部屋ではないと思った。
部屋から出ることに躊躇していると、コンコンとドアを叩く音がした。ドアを叩く音に驚き、情けない声が静かな部屋に響く。
「もう起きてる?」
ドアの向こう側から、聞き慣れない若い女の声がする。問いに対して応えなければいけないと思うものの、得たいの知れない現状を受けきれず、小さな声で返事をするしかできなかった。
「もう、いつまで寝てるの、シェイク!早く起きないとマザーに怒られちゃうよ!」
勢いよくドアを開けて入ってきたのは、金髪で顔にハートのタトゥーを入れた美少女だった。その日本人ではあり得ない風貌より何よりも、その少女の放った言葉の方が気がかりだった。
「え、シェイク?」
呆気にとられた自分からやっと出た言葉はそれだった。
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