彼の隣、彼の声

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そしてその切実な願いは、見事に叶ってくれた。 到着したバスに乗り込むと、指定の席に彼の姿が見えたから。 ……やった! 思わず小さくガッツポーズしてしまう自分。 …ていうか、どんだけ必死なの私…。 私は平静を装いながら、彼の座っている席から一番近くの通路まで進み、そこで立ち止まった。 ガタンガタンとバスに揺られながら、彼の表情をチラチラと覗き見する怪しい女子高生。 何かもう、見てるだけで胸がキュッと締め付けられる。 今日も会えたから、絶対最高の1日になる。 …なんて思いながら心の中でにやけていると。 突然、思いがけない事が起きた。 それは、私が乗ったバス停から一つ先に進んだバス停に到着したときだった。 ……彼の隣に座っていた女性が突然立ち上がり、そのバス停で降りていったんだ。 「………」 ……彼の隣、空いちゃったよ。
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