毎朝、君に会いたくて

8/32
584人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
「好きになってもらえなくていいの。ただ、私が勝手に好きになっちゃっただけだし」 そう。 一方的なこの想いを受け止めてもらいたいなんて、そんな事考えたらダメだ。 「純…」 「付き合いたいなんて思ってないから、大丈夫だよ心配しなくても」 私はわざと明るく笑ってそう言ったけど、未央は反対に少しも笑わずにこう答えた。 「そう思えるのって、最初の内だけだよ」 「…え…」 「好きになればなる程、自分のものにしたいって欲が強くなっていくものなんだよ」 「………」 まだ恋を知り始めたばかりの私には、未央のその言葉にすぐに共感は出来なかった。 「まぁ、純もその内わかるよ。でも、純のその棗くん、1回私も見てみたいなー」 「え、ダメ!」 …咄嗟に出た言葉。 「早っ。てか、何でダメなのさ」 「だって…だって未央まで棗くんの事好きになっちゃったら困るもん」 もう既に見え隠れしている独占欲に、このときの私は多分まだ気付いていなかった。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!