毎朝、君に会いたくて

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「純。あんたそろそろ白状しなよ」 「……何を?」 「私に隠してる事」 昼休み。 いつもは教室でお弁当を食べるのに、この日は未央に屋上で食べようと誘われた。 「……屋上で食べるの、ちょっと寒くない?」 「いいから早く答えて」 ビュンビュン北風が吹く中、屋上でお弁当なんて食べる強者は私と未央ぐらいしかいない。 夏になればこの屋上も他の生徒で賑わうけど、今日は特に風が冷たい。 「隠してる事なんて別に何も…」 「あるでしょ?」 ニコリと微笑みながら、未央は私を追及する手を緩めない。 「今日も遅刻したじゃん。具合悪いのかとも思ったけど、何か違いそうだし。今日、メイクいつもと違うし」 「あ、やっぱりわかる?ちょっとナチュラル風に変えてみたの」 「純にはそういう方が似合うよ。可愛い。…て、私が聞きたいのはあんたのメイクの事じゃなくてっ」 ……やっぱり誤魔化せなかったか。
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