初めての、好き

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「うわっ可愛い!」 棗くんのスマホの画面を覗き込むと、そこには愛らしいキュートなポメラニアンが3匹並んでいた。 「だろ?たまに帰るとさ、ちゃんと俺の事覚えててきゃんきゃん懐いてくるんだよね」 棗くんは凄く嬉しそうに、3匹のポメラニアンについて語ってくれた。 ……やっぱり、私の勘違いだったんだ。 良かった。 本当に良かった。 直感なんて、アテにならないや。 しかも、しかも。 こんな可愛いポメラニアンに似てるって言われたって事は…もしかして私の事、可愛いと思ってくれてる? 「……あの、どの辺が私に似てるの?棗くんちのポメラニアンと」 「え?どの辺って…そうだな。……きゃんきゃん懐いてくるとこ?」 …可愛さとかじゃないんだ。 …ていうか、そりゃそうだよね。 自惚れるな、私。 「俺、女子高生に懐かれる人生がくるなんて思わなかったよ」 懐いてる、とはまたちょっと違う。 好きだから、近付きたい。 ただそれだけなんだよ。
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