423人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ごめんママ、もう帰るから」
「もう帰るって…純今どこに…」
「ごめん、帰ったらちゃんと話すから」
そこで私はママからの電話を無理やり切り、そのままスマホの電源を切った。
棗くんが起きちゃったかもしれないと思い、少しだけ顔を覗き込むと、気持ちよさそうに眠ったままだった。
「……良かった、起きてない」
でもどうして。
どうして棗くんは、お酒弱いのに無理して飲んでしまったんだろう。
こんな暗闇の公園で、1人でも飲んでしまうくらい…何か辛い事があったのかな。
何があったのか、凄く気になるけど。
聞いてもきっと、答えてくれないような気がした。
「……棗くん」
5分が経過して、私は一応棗くんに声をかけてみた。
このまま寝かせてあげたいけれど、いつまでもこうしてるわけにはいかない。
パパもママも心配してるだろうから、そろそろ家に帰らなきゃいけないし…。
最初のコメントを投稿しよう!