初めての、好き

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「……好き」 いつのまに、想いは膨らんでいたんだろう。 いつのまに、こんなにも好きになっていたんだろう。 自分の口から、『好き』の言葉が自然と飛び出した瞬間、初めて悟った。 恋は、こんなにも苦しいんだって。 胸が押しつぶされそうな程、苦しいんだって。 なのに、きっと私は。 この恋を止められない。 以前未央に言われた言葉を思い出す。 『好きになればなるほど、自分のものにしたい欲が強くなっていく』 朝、彼の笑顔を見れるだけで良かった。 たった一言、言葉を交わせるだけで嬉しかった。   でも、今の私は、明らかにそれ以上を望んでいた。 名前を呼んで欲しい。 その手で、私に触れて欲しい。 他の女性なんか、好きにならないで欲しい。 いつか、私だけを見て欲しい。
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