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「あー!楽しかったぁ!それにしても相変わらず純は歌上手いね」
「そんな事ないって」
「霧島は相変わらず音痴だよね」
「…うるせーな。星野なんて俺よりヘタだろ」
「でも、楽しかったね。やっぱたまにはこうやって騒ぐのも大事だね」
「やっぱさ、息抜きは大事でしょ。うちら受験生だしさぁ、これから勉強の追い込みでこうやって遊ぶ事も少なくなるだろうし」
未央の言葉で、私も冬汰も黙り込んでしまった。
そうなんだよね。
今年は、受験があるんだよね。
妙に重い空気が、3人の間を流れる。
「…未央は、専門学校進学だよね?」
「そ。ほら、私メイクとか好きじゃん?いつか絶対超カリスマヘアメイクアーティストになってみせるんだから」
未央には以前から、揺るがない夢がある。
ヘアメイクを極めて、いつか世界でも有名なヘアメイクアーティストになる。
そのためにずっと陰ながら英語を勉強しているし、いつか海外に留学もしたいと話してる。
何も知らない人から見たら、未央はチャラチャラしているように見えるかもしれないけど、私は未央の努力と夢をちゃんとわかっている。
そしてそんな未央は、憧れてしまうほどに、本気で眩しい。
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