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どうしてあんな所に棗くんがいるの?
ていうか、どうしてあんな所で寝て…
「どうした?純」
「……何でも…ない」
冬汰は棗くんの事を知らない。
もちろん今更言えるはずもない。
『あそこで酔っ払って寝てる人、私の好きな人なんだ』
…なんて、言えないでしょ絶対。
「久し振りにカラオケ行ったからマジ喉痛い」
「………」
棗くんの所に駆け寄るか、それともこのまま家まで帰るか。
……私は公園を通り過ぎた辺りで、口を開いた。
「…あ!そ、そういえば私、帰りにコンビニでヨーグルト買ってきてってママに言われてたんだった」
「はぁ?ヨーグルト?なら、お前の家ちょっと過ぎたとこのコンビニ寄れば…」
「あのコンビニには売ってないヨーグルトなの!ごめん私、さっき通り過ぎたコンビニ戻るね」
「ちょっ…待てって純!俺も行くから…」
「大丈夫1人で行けるから!ありがとね冬汰!また月曜日ねっ」
私は強引に冬汰の制止を振り切って、棗くんの元へ走った。
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