初めての、好き

9/23
前へ
/23ページ
次へ
どうしてあんな所に棗くんがいるの? ていうか、どうしてあんな所で寝て… 「どうした?純」 「……何でも…ない」 冬汰は棗くんの事を知らない。 もちろん今更言えるはずもない。 『あそこで酔っ払って寝てる人、私の好きな人なんだ』 …なんて、言えないでしょ絶対。 「久し振りにカラオケ行ったからマジ喉痛い」 「………」 棗くんの所に駆け寄るか、それともこのまま家まで帰るか。 ……私は公園を通り過ぎた辺りで、口を開いた。 「…あ!そ、そういえば私、帰りにコンビニでヨーグルト買ってきてってママに言われてたんだった」 「はぁ?ヨーグルト?なら、お前の家ちょっと過ぎたとこのコンビニ寄れば…」 「あのコンビニには売ってないヨーグルトなの!ごめん私、さっき通り過ぎたコンビニ戻るね」 「ちょっ…待てって純!俺も行くから…」 「大丈夫1人で行けるから!ありがとね冬汰!また月曜日ねっ」 私は強引に冬汰の制止を振り切って、棗くんの元へ走った。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

423人が本棚に入れています
本棚に追加