切なくて、もどかしい、恋心

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「バスあと何分でくんの?」 「あと5分くらい。だからもう少し遅く出たって、バス停私の家のすぐ傍なんだから間に合うのに」 「お前、そんなギリギリで出るからたまに遅刻すんだろ」 「……違うもん」 ギリギリで家を出た事なんて、ない。 むしろ、絶対乗り遅れないように何分も前からバス停で待機している。 このバスに変えて遅刻したのは、どれも棗くん絡みだった。 「……それより、何?聞きたい事って」 冬汰が私の家に来てまで聞きたい事って、何だろう。 そんなに重大な何かなんだろうか。 どうでもいい話なら、いつものように学校ですればいい。 でもここまで来たって事はつまり…学校では話せないような事……? 「…お前さ、この間の男、誰?」 「………」 一瞬、何を聞かれているのか理解出来なくてフリーズしてしまった。
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