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「……綾乃って、どんな人なんだろ」
「超のつく美女だったらどうする?あ、でもさぁ、どうせなら絶対勝てないような美人の方が諦めつくよね。中途半端な女が一番困るかも」
「………」
正直、『綾乃』の外見が全く気にならないなんて言ったら嘘になるけど。
本当は外見よりも、その人の内面の方が気になってしまう。
棗くんは、思わず寝言で呟いてしまうほど想っている『綾乃』のどこに惹かれたんだろう。
「純?あ…もしかして、へこんでる?ごめん冗談!本当は応援してるって!」
「……絶対してないでしょ。好きな女がいる男を好きになって、バカだって思ってるんでしょ」
「思ってないってば。もうさ、ガツンと行っちゃおうよ。綾乃なんて女、蹴散らしてさ!それに綾乃がどれだけ良い女だとしても、純が勝ってる事1つだけあるよ」
「え、ウソ、何?」
「若さと勢い」
未央は得意気な顔でそう言った。
1つって言ってたのに、2つだし。
それにその2つには、何の説得力もない。
もしかしたら『綾乃』だって、若い女かもしれないし、初めての恋に戸惑ってばかりいる私なんかよりよっぽど勢いはあるかもしれない。
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