切なくて、もどかしい、恋心

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月曜日の朝。 いつものように早起きし、シャワーに入り丁寧に化粧をして、朝食を食べる。 今日は棗くんとどんな話をしよう。 最近は毎朝、そんな事ばかり考えている。 「ママ、醤油ある?」 「あ、ごめん戸棚に入ってるから取ってくれる?」 「はーい」 いつもの、朝食の風景。 パパはコーヒーを飲みながら、リビングのソファーの方で新聞を読む。 私は朝食を口にしながら、キッチンに立つママと他愛もない会話を繰り返す。 ここまでは、本当にいつもと変わらない朝の風景だった。 ……けど、ここから先が、今日は違っていた。 ピンポーン…と、朝からめったに鳴ることのないインターフォンの音が家中に鳴り響いた。 「誰かしらこんな朝早く」 「宅配便じゃない?」 「でもまだ8時前なのに…」 そう言いながらママが来客の顔をインターフォンのモニターで確認しに行った。 「……あら、珍しい。冬汰くんよ、純」 ……ウソ、何で冬汰が?
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