切なくて、もどかしい、恋心

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慌ててお茶碗を片手に握りしめたまま玄関へ向かうと、扉を開けた先には本当に冬汰が立っていた。 「……冬汰…どうしたの?こんな朝早くから」 「ちょっとお前に聞きたい事あって。…今日、一緒に学校行くぞ」 「えっ……」 それは困る。 だって、冬汰には棗くんの事を話していない。 あのバスに冬汰と一緒に乗ったら、棗くんの事が……。 「冬汰くん朝ご飯食べた?もし良かったら、食べて行かない?」 「あー、大丈夫です。飯、食ってきたんで」 「じゃあコーヒーだけでも飲んで行って。純まだ朝ご飯食べ終わらないから」 「……じゃあ、お邪魔します」 冬汰はママにリビングへ通され、私の隣の椅子に座った。 そして何故か私をガン見してくる。 ……隣からの視線が、やけに気になるんですけど。 「ちょっと冬汰…あんまり見ないでよ。食べづらいんだけど」 「早く食えよってプレッシャーかけてんだよ」 ……突然不意打ちで来たくせにそんなプレッシャーかけないでよ、バカ。
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