切なくて、もどかしい、恋心

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「冬汰くん、コーヒーブラックで大丈夫だった?」 「大丈夫です。ありがとうございます」 「でも朝から冬汰くんが家に来るなんて…何か昔を思い出すわね」 ……確かに私も、小学生の頃の事を思い出していた。 冬汰とは小1のときに同じクラスになって。 3、4年はクラスが違ったけど5、6年はまた同じだった。 冬汰は同じ小学校のクラスメートの中でも、1番私の家から近くに住んでいて。 だから子供の頃は、よく一緒に学校に登校していた。 中学生になってからも仲は良かったけど、2人で登校していたのは小学生まで。 「俺、いっつもお前に待たされてたよなそういえば」 「…冬汰がムダに家に来るの早かったんだよ」 「お前が朝からのんびりし過ぎなんだよ。今だって、その目玉焼き食うのに何分かかってんの?」 「うるさいなぁ…ゆっくり食べさせてよ……」 淡々と言い合う私達を見て、ママは何故か嬉しそうに微笑んでいた。
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