彼にとっての、パーフェクト

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「うーわ!ついに直接対決だ!」 「直接対決って…変な事言わないでよ未央。私はただ、棗くんと一緒に出掛けれたら嬉しいと思っただけで…」 「でも、大丈夫なのかよそれ。よく知らない大人3人とドライブって。しかもお前、緊張して発作とか起こしたらどうすんの?」 「………」 突然現実的な問題を冬汰に突きつけられて、私も未央も沈黙してしまった。 普段発作なんてそうそう起きないのに、緊張すると心臓の鼓動に意識が向いてしまうのか、苦しくなる事が昔から多い。 病気の事を知られたくないから、絶対に発作なんて起こしちゃいけない。 棗くんの前では、絶対に。 ……でも、それでもやっぱり、棗くんと出掛けたい欲は抑えられなかった。 「…多分、大丈夫だよ。もしものときのために、ちゃんと水と発作薬持って行くし」 「………」 「そんな心配そうな顔しないでよ冬汰…何とかなるから。最近私、体調凄く良いし」 何とかなる。 大丈夫。 ……きっと、大丈夫。
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