彼にとっての、パーフェクト

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「さっき1個食べたんだけどね、もうめちゃくちゃ美味しかったよ!こっちのチョコレート味、濃厚でヤバすぎだから」 「食べるの楽しみだわ。で?誰からもらったの?」 ……きた。 ママからすれば、当然の疑問を口にしたまでの事。 だけど私にとっては、最も答えづらい質問。 「……あのねママ。実は私…」 「好きな人、出来たの?」 私はパッと顔を上げてママを見た。 ママの表情には怒りなんて滲んでいなくて、ただ嬉しそうに微笑みながら私を見ていた。 「わかりやすいなぁ純は。その性格、誰に似たんだろうね」 「……多分、パパ」 パパは普段はクールな表情を装っているけど、ママと話すときだけはやたらと目尻が下がっている気がする。 きっと私の感情がすぐ顔に出てしまうところは、パパ譲りなんだと思う。    「純の恋バナ聞けるなんて嬉しいな。で?純が好きになった人は、どんな人なの?」
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