彼にとっての、パーフェクト

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「えー…そこまで説明しなくちゃダメ?」 「ダメ。教えて」 棗くんは、どんな人なのか。 一言で表すとすれば、とにかくカッコいい。 見た目だけじゃなくて、内面も。 恐らく綾乃さんの事を想い続けている棗くんは、きっともの凄く一途な人なんだろうし、たまたまバスの中で喋るようになったどうでもいい女子高生にまでお土産を買ってきてくれる。 最初から悪い人だなんて少しも思わなかったけど、棗くんを知れば知る程、棗くんの良いところばかり見えてしまう。 たまに口が悪いところもあったり、無愛想なときもあったり、何を考えてるのかわからないときもあるけど。 でも、それらも全部含めて、棗くんが好き。 「……パーフェクトな人」 「パーフェクト?」 「他の人がどう思うのかなんて知らないけど、私にとってはパーフェクトな人なの。…毎朝バスで顔を合わせる人なんだけど…ママも絶対素敵な人だって思ってくれると思う」 ママと棗くんが顔を合わせる日なんて多分一生来ないだろうけど、ママならきっと棗くんの良さをわかってくれる気がした。
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