彼にとっての、パーフェクト

6/20
前へ
/20ページ
次へ
「でもそっかぁ…純にもついに好きな人が出来たんだ。しかもバスの中で恋が芽生えてたなんてね」 ママは私が棗くんの話をしている最中、ずっと微笑みながら話を聞いてくれた。 娘が恋をした事が、そんなに嬉しいのかな。 「あ…ママ!わかってると思うけど、この事パパには…」 「言えるわけないでしょ。パパなんて純の事大好きなんだから、純に好きな人が出来たなんて聞いたら失神しちゃうかもよ」 「………」 確かにパパなら、ショックを受けるに違いない。 冬汰の事ですら、多分警戒してる気がするし。 「いつまでも子離れ出来ないのよねパパは。純がいつか彼氏を家に連れてくる日なんか来たら、パパどうなっちゃうんだろう」 「……何か、修羅場になりそうだね」 2人でパパならどんな反応をするのか想像しながら笑っていると、タイミングよくパパが帰宅した。 …パパは私達がニヤニヤしてるから不審そうな顔を見せたけど。 とにかくこの話は、パパには絶対言えないママと私の内緒の話。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

366人が本棚に入れています
本棚に追加